この記事はこんな人にオススメです。
- 中古マンションの探し方を知りたい
- 中古マンション探しが難しいと感じている
- 中古マンション購入を失敗したくない
難しいと言われている中古マンション探し。私自身が中古マンションを購入するまでに、実際に見た物件数は4件。期間は3週間。
ということで、世間的にもかなりの短期間で納得がいく中古マンション選びができました。
では、どうして後悔しない物件選びができたのか?
それは、入念に物件比較を行っていたから。
具体的にはマンションの構造や広さ、価格、駅から近さなど、売出し中の物件ごとに様々な項目をスプレッドシートにまとめて数十件ほど比較しました。それは次の理由からです。
- 中古マンションの相場観を養う
- 気になる物件がでたらすぐに動ける
この2点をクリアすれば、きっと気に入る物件に出会えるはず。物件選びはゴールではなくスタート。幸先よいスタートになることを願っています。
中古マンション選びは自分の基準を作ろう
私が中古マンション選びにかけた期間は1ヶ月。
マンションを買うなんて、一生に一回あるかどうか。
「ベストな選択をしたい!ましてや失敗なんて許されない!」という気持ちで情報収集や物件探しを行っていました。
物件探しで特に重要なことは、自分が納得できるか。
人それぞれ求める条件が異なります。
仮に他人に「オススメです」「今後出ない物件です」と勧められたとしても、自分の判断基準がなければ決めることができません。
ましてや一生を左右する買い物。ですので、相場観や、自分の条件を洗い出すことが必要です。
購入したい価格、立地や広さなど、自分なりの条件が洗い出せていない人はまだ本格的に物件を探すべきではありません。まずはどのような条件での暮らしを求めているのか考えてみましょう。
良い物件はすぐに売れる
「物件探しは一期一会」なんて言いますが、私も実際に経験しました。
中古マンションを探し始めて、「とにかく一回見に行ってみよう」と内覧へ行きました。
希望エリアで1日に3件内覧をしましたが、ちょっと良いかもと思っていたところは、すでに買い手が見つかっていました。
その物件は掲載してからまだ3日。内覧に行った日の午前に買い手が見つかってしまったとのこと。
「え、そんな早いの?」と思いました・・・。
でも人気がある物件は競争も激しい。掘り出し物ですから。
だからこそ、先を越されないために日頃からアンテナを立てることが大事です。私自身も、購入した物件はネットに掲載された翌日に内覧へ行き、購入を決めました。
業者さんと物件を探すメリット・デメリット
マンションを一緒に探せる業者さんには2種類あります。不動産屋さんとリノベーション会社さんです。それぞれメリット・デメリットがあります。
私の結論としては、見つけた物件にアドバイスを貰うようにすると、バランスが良いと思います。
不動産屋さんとのマンション探し
メリット
- 条件を伝えると、それにあわせて見繕ってくれる
- 自分で探す手間が減る
デメリット
- リノベーションに詳しくない人が多い
- 提案をもらってから日程調整するため、人気がある物件は抑えにくい
- 何件も内覧を続けていると購入意欲が低いと判断されて後回しにされるように
リノベーション会社さんとのマンション探し
メリット
- プロの目線でリノベーションしやすい物件かの判断が入る
- 自分で探す手間が減る
デメリット
- 提案をもらってから日程調整するため、人気がある物件は抑えにくい
- 提案されるだけだと、良し悪しの判断ができず決め手に欠ける
私は自分で中古マンションを購入して、その後リノベーションの会社さんを探していました。
今思えば、信頼できるリノベ会社さんと一緒に探す方が楽だったかも。
ただ、提案された物件を良いと判断できる基準をある程度は持つ必要があると私は思っています。ですので、一緒に探すにしても、自分で良し悪しを決めるための審美眼は養っておきたいものです。
そして市場のスピード感。中古物件は一点物なので、個人で動けたほうが物件を抑えやすいのです。
業者の方を通すと、どうしても提案まで時間がかかってしまい、すぐに売れるような物件に出会うことが減ります。
中古マンションの選び方、具体的な項目
中古マンションを選ぶ際に、不動産サイトをみつつ、価格帯や地域の条件に合致したマンションの情報をリストアップするようにしました。
リストの項目は以下のとおりです。
- 購入価格+管理費・修繕費
- 最寄り駅、徒歩何分
- 築何年か(新耐震基準をクリアしているか)
- 屋内とバルコニーの広さ(平米数)
- 何階建ての何階部分か
- 角部屋か、最上階か
- 建物内の総戸数
- 駐車場の有無、形状
- ピロティ構造か
- 部分リフォーム済か
- ピンと来るか
おおまかにリストアップすることでその地域の相場が見えてきます。
リストアップは多少時間がかかることなので、楽ではありませんが、確実に物件を見る目が養われます。
私はこれを2週間ほど続けた結果、明らかに他の物件よりも条件が良いと思う物件を見つけ出すことができました。
またリストアップすることで相場がわかるようになり、購入する際に迷いがなくなります。
購入価格+管理費・修繕費
マンションの購入価格に加えて、管理費や修繕費などの固定費の計算も行いましょう。
この固定費、高くても安くても注意が必要です。
相場より安い場合はあまり管理が行き届いていないか優良な管理がされているかのどちらかです。
相場より高い場合は、理由を聞いてみましょう。
仮に30年間変動がない場合、マンション購入価格が安い物件が固定費も計算すると実は高いケースもあります。
以下のように、実は3,000万円のほうが結果的に安くつくことも。
しかしながら、管理費や修繕費は必ずしもずっと同じではありません。シミュレーションの参考として抑えましょう。
マンション本体価格 | 管理費 | 修繕費 | 30年暮らした場合の費用 |
3,000万円 | 1万円 | 1万円 | 3,720万円 |
2,800万円 | 1.5万円 | 2万円 | 4,060万円 |
最寄り駅、徒歩何分
最寄り駅から何分かも大事なポイントです。
一般的に、最寄り駅からの距離が遠いほど価格が下がるため、選択肢が拡がります。
最寄り駅から徒歩何分がベターかは、その人が暮らしてきた環境にもよります。
徒歩15分圏内なら余裕という人もいれば、絶対に徒歩5分が良いという人もいます。車があるから駅なんか気にしないという人もいますよね。
資産性を考慮するなら
将来売ることも視野にあるならば、個人的には徒歩7分以内が目安となるかと思います。不動産の徒歩1分は80m換算で、信号や高低差などが考慮されていません。
そのため徒歩7分と記載があっても実際には10分かかることも。これは歩く速さでも全然変わってきます。
誰しもが車をもっていないので、公共交通機関、特に電車の駅からの近い物件にニーズがあるケースは多いです。
近ければ近いほど便利ですが、個人的な許容値とすれば7分かなと思います。また不動産の検索条件も7分で区切られていますよね。これはニーズが反映された結果だと推測できます。
築何年か(新耐震基準をクリアしているか)
中古マンションの購入をする際に気になるのは築年数かと思います。
新しければ新しいほど良い気がしますが、その分価格が高い物件が多いです。1981年以降に設計された物件であれば新耐震基準をクリアしているため、ひとつの安心基準といっていいかと思います。
旧耐震基準では震度5の揺れ、新耐震基準では震度7の大きな地震でも全壊しないのを基準として設計されています。 実際に、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では、 1981年以降の新耐震基準で建設された建物に関して、地震による直接的な建物の被害は少ない状況でした。
引用:イエウール 個人でもできるマンションの耐震基準の確認方法と法律の変遷とは
なお、築年数だけでなく、中古マンションは管理状態で耐久性が大きく変わります。
しっかり管理されていればなおさら安心です。管理の程度は内覧時にもチェックすることができます。
屋内とバルコニーの広さ(平米数)
マンションサイトに掲載されている平米数を指しています。
「24.9m2」や「100m2」などと記載がある箇所ですね。希望する広さの価格帯がわかれば予算が見えてきます。
間取りに関してはフルリノベーションを検討しているなら気にしなくてOK。プランによって変更が可能だからです。
部分的なリノベーションを考えているなら、すべての間取りは変更できないケースが大半かと思いますのでチェックしておきましょう。
また、バルコニーの広さも大事です。「家庭菜園でハーブを育てたいな」「ちょっとしたウッドデッキ風にして日光浴したいな」「洗濯物を外で干したいな」など。
物件によってサイズがまちまちです。広いところだと屋内と同じくらいのサイズがあります。人によってバルコニーのサイズは物件の決め手となるので、忘れずにチェックしましょう。
何階建ての何階部分か
マンションの場合、1階などの低層階は治安や人の目線が届きやすいなどの理由から、高層階にくらべて割安なケースがあります。
反対に、高層階だからといって高すぎると感じる値付けをしている場合も。
このように何階に位置するかが価格に影響するケースが多いです。また、自身が住みたいと思う階層をチェックしつつ、他の階層の価格も知っておくと比較検討しやすいので良いでしょう。
角部屋か、最上階か
角部屋や最上階は、一般的には住みたいと思う人が多いため、物件価格が高めに設定されがちです。
窓が多いと明るいし、風も通っていいですよね。最上階だと上の騒音に悩む心配もありません。そういった意味で、角部屋や最上階を狙っている方も多いのではないでしょうか。
気をつけないといけないのが、断熱にかかる費用です。
築年数が新しいマンションでも、満足に断熱されていないことがほとんどです。
断熱を意識したリノベーションをしたい場合は、天井・側面など外に接する面への断熱材補強、窓を二重窓にするなどの対応が必要となり、この対応で100万円以上かかります(実際にかかりました)。
特に断熱工事はリノベーションのタイミングでしかできませんので、躊躇わずに行うことをオススメします。このような断熱費用をかかることを前提に、角部屋や最上階を検討してください。
建物内の総戸数
総戸数は40戸以上を目安としましょう。
マンションという大きな建物を管理するのは住人です。
つまり総戸数=住んでいる家庭数です。この住居数が多いほど、管理費や修繕費が安くなる傾向があります。邸宅マンションなど、総戸数が少ないマンションだと固定費が高くなる場合があるため、気をつけておくと良いでしょう。
とはいえ、マンション内の戸数が多いと騒音トラブルやエレベーターの待ち時間が長いといった、暮らしの質に関する部分にも影響が出てきますので、その点も考慮しておくと良さそうです。
駐車場の有無、形状
マンションに駐車場があるか、またその形状によって、管理費に影響が現れます。
特に機械式の駐車場には注意。構造的に維持費がかかるからです。
維持費が高いことから、機械式駐車場を取り壊すケースさえあります。
余談ですが、車をもっていてマンションの駐車場に空きがない場合は、近隣の月極駐車場の価格相場を知っておくと良いでしょう。
ピロティ構造か
ピロティとは、有名建築家のコルビジェとジャンヌレが提唱した画期的な建築構造です。
柱で支えられた形状はお洒落である一方、耐震性には弱いとされています。
マンションの例では、1階部分が駐車場になっている場合はピロティ構造といえます。
ただ、強度を強める対策がされていれば耐震性も問題ない上に、津波にも強いといった説もあるようですので、参考までに。
阪神・淡路大震災ではピロティ式のビルやマンションの耐震性の問題が指摘されたが、沿岸部においては、鉄筋を増やして柱の強度を高めるなど対策を施した上でピロティ式構造を採用すれば、耐津波性能の高い建物を実現できる可能性が考えられる
wikipedia ピロティ構造
部分リフォーム済か
部分リフォームして売られている物件は、物件にリフォーム代金も乗った状態で売られています。
それなら、買ってからリフォームやリノベーションしたほうがお得ではないでしょうか。一方で、すぐに入居したいなどの理由がある場合は、部分リフォームされているケースのほうが早く暮らせるメリットも。
ピンと来るか
最後に、「ここに住みたい」と思うかどうか、つまりピンと来るかどうか。長い付き合いになるので、建物の外観写真を含めて、なんとなく良いなと思えるかは大事です。
実際に情報収集した不動産サイト
参考までに、実際に利用したサイトです。
どういったサイトでも似たような物件が出てくるのですが、サイトによって掲載があったりなかったりしますので、いくつか定点観測すると良いと思います。使い勝手も大事なので、ホームズをよく利用していました。
まとめ:中古マンション選びは相場観とスピードが大事
条件が整理できたら、あとは数を見て相場観を養いましょう。
そして、良いと思う物件が出るまで継続し、ピンと来たら即座に行動しましょう。
長期間リストアップしても気に入る物件に出会えない場合は、予算か条件のどちらかに要因があるか、数自体が少ないか。
タイミングもあるので、根気強く探すことで、納得いく物件選びができると思います。皆さんが暮らしたいと思う中古マンション探しの参考になれば嬉しいです。